2005年11月21日

ディストリビューションの選択

これまでLinuxでの日本語環境、特に親指シフトの実装について見てきました。以下、私が試してみようと考えているディストリビューションについて簡単に説明します。

Plamo Linux
http://www.linet.gr.jp/~kojima/Plamo/

このディストリビューションは「試して楽しむLinux」(下記の本の中の表現)を目指しているものだそうです。

Plamo Linux Expert 平成16年8月25日発行 技術評論社
(Plamo Linux 4.0が入った2枚組のCD-ROMとオリジナルCD-ROM1枚付属)
http://www.gihyo.co.jp/magazines/plamo
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/477412074X/qid=1132495308/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/250-2934244-2816263

この本には、田向正一さんという方が書いた「日本語入力関連ツール」という5ページにわたる解説があります。その中で親指シフト(Nicola)についても、約3分の1ページのキー配列図を含む、きちんとした説明があります。

親指シフトの実現方法はQ's Nicolatter for X http://www.nslabs.jp/xnicolatter.rhtml を使っています。インストール後の設定で親指シフトにできるようです。

この方法は、これまで何回か書いてきたscim-anthyとは違ったやり方になりますが、前からある方法のようですので、試しに使ってみてscim-anthyとの使い勝手の違いなどについて見ることにします。

以下に述べるディストリビューションではscim-anthyが使われています。

KNOPPIX
http://unit.aist.go.jp/itri/knoppix/

このディストリビューションは、ハードディスクにインストールしなくてもCDまたはDVDから起動して、そのまま使うことができる(ハードディスクにインストールすることもできる)という特徴を持っています。ちょっとLinuxを自分のパソコンで試してみたいという人にはうってつけということになります。

ソフトの入手は、上記のサイトの他、最近の雑誌では

オープンソースマガジン 2005年12月号 ソフトバンククリエイティブ株式会社
(KNOPPIX4.O.2日本語版CD-ROM付属)
http://www.osmag.jp/magazine/2005/200512.html

等により可能です。DVD版は現在(2005年11月20日)ダウンロードしか方法がないようです。私はできれば両方を試してみたいと思います。DVD-Rを作るのは初めてなのでうまくいけばと思っています。

えもじならべあそび番外編 - DVD版Knoppixで親指シフト(とJISかな)を利用するためのメモ (2005/10/09-)
http://www.eurus.dti.ne.jp/%7Eyfi/oyayubi_knoppix.html
では、ダウンロード版で使っています。スクリーンショットもあり、役に立ちます。

SUSE Linux
http://www.opensuse.org/Welcome_to_openSUSE.org

これはNovell社がサポートしているもののオープンソース版です。

おくまの部屋(親指シフト+Linux別館)
http://oyalinux.exblog.jp/2629746/
に、入手方法などが書かれています。私はオープンソースマガジンのものを使う予定です。

Fedora Core
http://fedora.jp/

レッドハットという有料のディストリビューションと関係が深いオープンソースのディストリビューションです。現在のところ、scim-anthyはデフォルトではないようですので、設定をしなくてはいけないようです。

Fedora Core Expert 平成17年8月1日発行 技術評論社
(DVD1枚付属)
http://www.gihyo.co.jp/magazines/fce
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774124257/250-2934244-2816263

はじめてのFedora Core 4 田中秀樹 2005年8月1日発行 ソフトバンク パブリッシング株式会社
(CD4枚、DVD1枚付属)
http://www.sbcr.jp/books/products/detail.asp?sku=479733195X
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479733195X/250-2934244-2816263

などで入手可能です。

http://okuma-room.cocolog-nifty.com/okuma/2005/11/linux_fedora_co_77bd.html
http://d.hatena.ne.jp/tree3yama/20051020/1129829049
などに、親指シフトを使えるようにするための方法が書かれています。

少し欲張りすぎていて、ちゃんとできるか心配ですが、時間を見て試していく予定です。
posted by 杉田伸樹(ぎっちょん) at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 準備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月20日

どのLinuxにしようか?

これは
http://oyalinux.exblog.jp/2629746/
の協賛企画です(笑)。

前回の記事でLinuxにおける日本語入力の方法の基礎について述べました。Linuxにはディストリビューションがいろいろあり、日本語入力のためのプログラムについてもいろいろな考え方がとられています。

親指シフトを使う方法はいくつかありますが、たとえばEmacsというエディターは直接インプットメソッドや変換エンジンにアクセスしているようなので、そこに親指シフトを割り込ませるというやり方もあるようです。
http://www.eva.hi-ho.ne.jp/~minoura/kbd/index.html#omelet

また、Q's Nicolatter for X
http://www.nslabs.jp/xnicolatter.rhtml
は、前回の記事の図AにあるXIMプロトコルが使えるものなら親指シフトが可能となるようです。

Linuxでの日本語入力の現状は、前回の記事にも引用した「多言語入力プラットフォームSCIMについて」http://www.homa.ne.jp/~ashie/linux/files/SCIM.sxi
のページ4にある、「OSS IMフレームワークを取り巻く現状」に書いてありますが、かなり複雑化している様子です。

素人判断ですが、インプットメソッドや変換エンジン等をどのように組み合わせるかが自由にでき(このこと自体は良いことだと思いますが)、この他にも選択できるところが多い(たとえばウィンドウシステムにGNOMEを使うかKDEを使うか
http://oyarest.exblog.jp/2633638/
http://oyarest.exblog.jp/2636487/
など)ことから、よほど頭を整理しておかないと分からなくなってしまうのではないかと思います。

scimは「XIM(X Input Method)を置き換える、新たな多言語入力フレームワーク」
( http://www.homa.ne.jp/~ashie/linux/files/SCIM.sxi のページ8)での説明では、文字入力関係を少し高機能なものにしようというもののようです。

scimはいろいろなディストリビューションで採用が広がっているようです。「多言語入力プラットフォームSCIMについて」のページ11では
「SCIMを標準で採用するディストリビューション」として、

Fedora Core (Fedora Core5よりCore入り、デフォルトのIMフレームワークになるかどうかは不明)
SUSE Linux
Mandriva Linux
KNOPPIX日本語版
その他いくつかのローカルディストリビューション

があげられています。

同じくページ12では、「パッケージが存在するディストリビューション」として、

Debian GNU/Linux
Ubuntu (標準IMフレームワークとしてプッシュ中)
Gentoo Linux
FreeBSD
Vine Linux
Momonga Linux
etc etc…

があげられています。

これを見ると、scimはかなり多くのディストリビューションで標準的に採用されるか、少なくとも利用はできるようになっているようです。これとかな漢字変換エンジンとしてanthyを組み合わせることにより、親指シフトが利用可能となります。上記のディストリビューションから選ぶのが良い方法ということになります。
posted by 杉田伸樹(ぎっちょん) at 00:22| Comment(0) | TrackBack(2) | 準備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月18日

Linuxでの日本語入力環境

具体的なディストリビューションの議論に入る前に、Linuxでの日本語入力の方法について、分かる範囲で見ることにします。専門家ではないので、抜けているところや間違っているところがあるかもしれませんが、ご指摘いただけますとありがたく存じます。

Linuxは(というより、ほとんどのコンピューターのシステムはと行った方が良いかもしれませんが)、もともと、日本語の入力を意識して作られたものではありません。基本的には英語のアルファベットと数字をベースとして動かすことを想定していたと考えられます。だから、日本語を使おうとするといろいろな工夫をしなければなりません。

技術的な詳細は私は分かりませんが、以下のような説明があるので、興味のある方は見ていただけたらと思います。

[A]
Part1 日本語入力に関する基礎知識
http://kodou.net/unixuser/200405/part1.html
Part2 変換エンジンの紹介
http://kodou.net/unixuser/200405/part2.html
Part3 コンソールで使うインプットメソッド
http://kodou.net/unixuser/200405/part3.html
Part4 X Window Systemで使用するインプットメソッド
http://kodou.net/unixuser/200405/part4.html
Part5 辞書の整理
http://kodou.net/unixuser/200405/part5.html
日本語入力プログラムの歴史
http://kodou.net/unixuser/200405/column1.html
XIMのプリエディット描画スタイル
http://kodou.net/unixuser/200405/column2.html

これらは雑誌「UNIX USER」 http://www.unixuser.jp/ の2004年5月号 http://www.unixuser.jp/magazine/2004/200405.html の特集記事「最適な日本語入力環境を発掘せよ」(徳永拓之氏)の原稿で、かなり詳細かつ技術的なものとなっています。

[B]
Plamo Linux Expert http://www.gihyo.co.jp/magazines/plamo にも、「Linux環境の日本語入力システム」という記事があります(ネット上にはなく、印刷媒体のみ)。

[C]
多言語入力プラットフォームSCIMについて http://www.homa.ne.jp/~ashie/linux/files/SCIM.sxi は、2005年9月23日で開催されたSEA & FSIJ合同フォーラムでの足永拓郎氏のプレゼン内容です。Open Officeで作られたファイルです。

これらを使って、Linuxの日本語入力環境を調べてみると以下の通りです。

Japanese Input.jpg
(出典) [C] ページ6

この図は日本語入力とアプリケーションの関係を図示したものです。これによれば、アプリケーションに日本語入力をする場合には主として4つのパスがあることが分かります。

また、[B]では、
InputMethod.JPG
(出典) [B]ページ126

という仕組みが示されています。

両者の関係は分からないのですが、いずれにせよ、親指シフトによる入力を実現しようとすると、その仕組みをどこかに組み入れることが必要になってきます。
posted by 杉田伸樹(ぎっちょん) at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 準備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月06日

Linuxをインストールする環境

これからLinuxをインストールしようとする環境について簡単に説明しておきたいと思います。Linuxはインストールする際にハードウェアが対応しているかどうか判断するのが難しいところがあります。このあたりはウィンドウズに比べると敷居を高くしている原因かと思います。ただし、最近はLinuxの方でもハードのメーカーの方でも対応のための努力がされているようなので、ある程度メジャーなパーツだったらそんなにインストールに迷うことはないかもしれません。

今入っているTurbolinux 10 Desktopもハードウェアの認識など問題なくインストールが進みました。Linuxがインストールされるハードはいろいろなので、私が使っているものを明らかにしたとしても他の人に役に立つかどうか分かりませんが、少なくとも何かの情報にはなるかと思い以下の通り書いておきます。

[ケース] AOpen H340D
http://aopen.jp/products/housing/h340.html

[マザーボード] AOpen MX4LR
http://global.aopen.com.tw/Products/mb/MX4LR.htm

これはベアシステムとして売られていたもので、この他にCPUファンがついていました。これはCPU付属のファンだと大きさが合わないからでしょうか。ベアシステムとしては最も安価な方ですが、凝った使い方をしなければ実用にはなるのではないかと思います。

マザーボードの各種スペックは以下のようなものです。

[チップセット] インテル845GL, ICH4
[グラフィック] チップセット内蔵
[サウンド] AC'97 CODECオンボード
[LAN] Realtek 10/100Mbps PCI LANチップ
[USB] ケース前面(×2)と後面(×2)
[PS/2]インターフェース マウスとキーボード

[CPU] インテルCeleron1.7GHz

[ハードディスク] 40GB (IDE)

[光学ドライブ] LG Super Multi DVD Drive GSA-4167B
http://www.meritline.com/lg-gsa-4167b-16x-dual-layer-dvd-drive.html

当初はCD-ROMドライブだったのですが、最近のLinuxはDVD-ROMに入っていることが多いので取り替えました。メモリーを256MBから512MBに増設するのにケース内でぶつからないようにするために奥行きの短いものを選びました。

[メモリー] 512MB (バルク、256MB×2)

[ディスプレー] ADI Microscan (17インチ)

[マウス] Microsoft

[キーボード] 富士通コンポーネント FKB8579-661
http://www.fcl.fujitsu.com/products/personal/kb/index.html

いわゆる「USB接続コンパクト親指シフトキーボード」です。USB接続のためなのか、Linuxが起動するまではキー入力を受け付けませんが、いったん立ち上がれば問題なく使えます。ただし、親指シフトを使えるようにするソフトが入っていないのでそのままでは「JISキーボード」として機能します。
posted by 杉田伸樹(ぎっちょん) at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 準備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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